2016年9月頃にエバーグリーンから発売されたロッドが一部バサーの注目を浴びました。
そのロッドとは、今江克隆プロが監修するインスピラーレシリーズの1本としてリリースされた「グランドコブラ」。
あの歴史的名竿「コブラ」の名を受け継ぐロッドだけに注目されましたが、多くのアングラーが注目した理由はそれだけではありません。
目次
グランドコブラ購入の動機とキッカケ
私がグランドコブラを購入しようとした動機は、「革新的な最新のカーボンを使った、軽くて粘り強いロッド」などとうたわれた、雑誌などに掲載されている広告を見たことがキッカケでした。
元々エバーグリーンやイマカツが好きだったこともあり、私の中でも注目度はMAXを超え、「欲しくて欲しくて」たまらないといった日々を送っていたのです。
後述にも書いていますが、購入前に一度、釣り仲間にグランドコブラリミテッドを触わらせてもらっていました。で、私ならグランドコブラRSかな?と思い、購入を決意!
インプレは後述しましすが、まぁ良いロッドです。
グランドコブラの特徴
新素材 トレカ®T1100G
当時、革命的と言われた最新のカーボン「トレカ®T1100G」を100%使用して作られたのが、このグランドコブラです。
それまで20年近く、カーボンには大きな進化が見受けられていませんでしたが、東レがこの新カーボンを開発したことは、バスフィッシング業界だけでなく、ロードバイク、テニス、ゴルフ業界でも話題となったほどです。
このカーボンを使うことで今まで以上に「軽くて強い」ロッドが作れるのです。
従来のカーボンでも、軽いロッドや強いロッドを作ることはできたのですが、この新カーボンほど見事に両立できる素材はありませんでした。
この新素材を使うことで軽量でシャープな使い心地、しなやかかつ強靭という両立の難しいエッセンスを高次元で融合できたのです。
『トレカ®「T1100G」』 180°引き込み破断強度テスト
新次元のバーサタイル性能
この新素材を用いたことで、このロッドが手に入れた最大の武器は新次元のバーサタイル性です。
なんとこのロッド1本で、5gのテキサスやラバージグから4ozクラスのビッグベイトまで扱えるのだから驚きです。
テキサスリグ、ラバージグ、スイムベイト、ビッグベイト、スピナーベイト、バイブレーション、チャターベイト、大型クランクベイト、キャロライナリグなどこれ一本で高次元の操作ができるというのは、私のような関西のおかっぱりアングラーにはとても助かるスペックです。
ビッグベイトが定番化、一般アングラーの釣りに必要不可欠な存在になりながらも、フィールドはどんどんタフ化していくという現在の状況を考えるとこういったロッドの登場は必然的と言えるかもしれませんね。
3種類のグランドコブラについて
これまで3タイプがグランドコブラ発売されています。
その内1本はもう生産されていませんが、それぞれの違いをご紹介しましょう。
といっても、ブランク自体は3本とも全く同じものを使用してします。
グランドコブラ リミテッド
3本の内、最初に発売されたのはこのモデルですが、現在は生産されていません。
EVAのセパレートグリップにオーロラ―カラーを纏った金属パーツが印象的な限定モデルです。
ガイドはすべてチタンフレームのダブルフット、トルザイトリングを使用しています。
グランドコブラGT
69,000円という、他の2本に比べて低価格で購入できるモデルです。
上で述べたように、ブランクは全く同じもの。
その上、リミテッドが158gであるのに対し149gと軽くなっています。
ガイドセッティングはすべてダブルフットですが、ティップ~ベリー部にかけてはチタンフレーム+トルザイトリングを使用しており、バット部にはステンレスフレーム+SICリングという独自のセッティングになっています。
グランドコブラRS
競技用グランドコブラと言っても過言ではないこのモデルは142g。
一日中キャストし続けても、体への負担が少ないための軽量化です。
しかし、このモデルが持つ他の2本との大きな違いは、使用時のフィーリングです。
他の2本がオールダブルフットに対して、シングルフットの軽量ガイドを多く使うことで、とてもシャープな使い心地でありながら、しなやかなフィーリングがあります。
このしなやかなフィーリングの秘密は、シングルフットの方が、スレッドを使ってブランクスを固定する面積が小さいからです。
グランドコブラRS。私のインプレ
さて、実際にグランドコブラを使用した私のインプレに移りたいと思います。(ちなみに私が今愛用してるのはグランドコブラRSです。)
実際に手にした感想は、軽くてシャープ(RSだからというのも大きな要因ですが…)
筋肉質な使用感のロッドを求めていた私は、「ジグロッドみたいな使用感じゃないのか?」と心配になりました。
しかし、実際にフィールドに立ち、ルアーを投げてみると、ロッドはかなりの「しなり」を見せ、ジグロッドのそれとは大きく違いました。
グランドコブラRSは、軽くシャープな使い心地で、細かなキャストやアクションもつけやすいので、大きめのワームのノーシンカーやジョイクロのトゥイッチなども手首の負担なくできます。
逆にマグナムクランクやリップ付きのビッグベイトをグリグリ巻いていきたいのならGTやリミテッドがラクでしょう。
私の場合、
- ラバージグ・テキサス
- 羽根モノ
- ビッグベイト
- チャターベイト
等をグランドコブラRS 一本で使うため、主に16lbのフロロカーボンを巻いて使用しています。
[aside type=”warning”]フロロカーボンですのでペンシルやポッパーなどのトップウォーターは少し扱いにくくなるのでご注意を[/aside]
魚を掛けたり、重いルアーを投げる時に、強く感じるのが、一定まで曲がった途端、ガチッと粘りを見せることです。
このしなやかさと粘りの緩急が少し他のロッドに比べ極端に感じます。(急に別のロッドになるような感覚さえ覚えます。)
この現象はリミテッドやGTでは少しマシなように思いますが、それでも従来のロッドとは違ったフィーリングで、例えるなら「復元性の強い鞭」のようです。
もっとじわっと粘りを出してほしいと思う方には向かないかもしれませんね。
私の場合、グランドコブラリミテッドを仲間に触わらせてもらってから、RSの購入を決意したのですが、ガイドセッティングでここまで違うロッドになるのかと驚きました。
あまり他のメーカーで、こういった試みがなされていないので、ガイドセッティングでこれだけの違いに気づける面白い販売方法だと思います。
気に入らない点
使用感などはめちゃくちゃ気に入っていますが、一点気に入らない点(というか、仕方ない点?)が、価格です。
定価で税抜き86,000円!!!!
って高杉・・
最新テクノロジーを惜しみなく使っているので仕方ないですが・・高杉・・
グランドコブラRSはこんな方におすすめのロッド
私のインプレをつらつらと書きましたが、グランドコブラRSは下記のような方におすすめのロッドです。
- 軽くて粘り強いロッドが欲しい
- ロッド1本でオカッパリしたい
- ロッド1本で幅広い釣りがしたい
- ロッド1本で様々なウェイトのルアーを投げたい
- 高くても良いロッドが欲しい
- 所有感に浸りたい
- 友人に自慢したい
- ガチでデカバスを狙いたい
さいごに
これからのバスフィッシングの世界を変えるであろう素材「トレカ®T1100G」をふんだんに使った歴史的バスロッド「グランドコブラ」。
気に入らない点として価格を挙げましたが、使用感は最高ですし、高いからこそ感じられる所有感も最高!
グランドコブラがどうしても気になる方は、試してみてはいかがでしょうか?