クランクベイトの使いどころ・出しどころ!場所、時期、季節は?

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クランクベイトの使い方は基本的にカンタンですが、出しどころ・使いどころに関しては結構シビアです。

クランクベイトはSR(シャロー)、MR(ミドル)、DR(ディープ)といった具合に、リップの長さよって潜行深度が違い、スピナーベイトやバイブレーションのようなレンジコントロールができないからです。

今回は、使いどころ・出しどころ、場所、時期、季節など、クランクベイトを使うシチュエーションについて解説していきます。

目次

はじめに 自分のクランクが持つ性能を知っておく

フィールド、時期、季節によってクランクを使い分けるためには、まずは自分のクランクについてよく知っておくところから始めましょう。

潜行深度、アクション、対カバー性能等々を知っておかなければ、適材適所で効果的なクランキングができないからです。

初心者の方は全てを気にしだすと頭がパンクするので、とりあえず潜行深度だけでも把握しておいてください。

下記の画像では、左から順にリップの長さが短くなっていることがお分りいただけると思いますが、リップが長ければ長いほど深く潜ります。

所有している、もしくはこれから購入予定のクランクベイトがどれほど潜ってくれるかを把握するための基本知識があります。

もちろん、実際フィールドで使用してみるのが潜行深度を知るには1番ですが、ルアーの名前やリップを見れば大体どれほど潜ってくれるか分かるのです。

まず、名前から判断しましょう。

SR、MR、DR。クランクベイトの名前の最後にこんなアルファベットの表記がよくあります。

これらは、そのクランクが大体どれくらい潜るのかを示しています。

  1. SRはシャローランナー、水深50㎝~1.5m辺り
  2. MRはミッドランナー、水深1.5~2m辺り
  3. DRはディープランナー、2m以上を泳ぎます。
  4. SSRという表記もあります。これはスーパーシャローランナー、水深0m~30㎝くらいを泳いでくれます。トップウォーターだと思ってください。


左から、DR(ディープ)→MR(ミドル)→SR(シャロー)→水面直下 とレンジが浅くなっています。

また、アルファベットの代わりに数字で潜行深度を表記してあるものもあります。

メガバスのDEEP-Xシリーズなどがいい例です。DEEP‐X100は100㎝、つまり約1m潜るわけです。わかりやすいですよね。

ただ、クランク以外のルアーの名前に似たような数字が表記されていますが、それはボディーの長さを示すものである場合が大半ですのでご注意を!

これらのクランクを見比べれば一目瞭然ですが、潜行深度とリップの長さに規則性があります。ボディーの大きさに対して、リップが長く水を受ける面積が大きい方が深く潜るわけです。この法則を知っておけば、名前がわからないクランクでもおおよその潜行深度を推測できます。

エリア選び

さて、少しテーマとズレてしまいましたが、本題に入りましょう。

まずは、どんなエリアでクランクベイトを投げるべきなのか解説していきますが、結論から言うと、水中に「何か」が広範囲にわたって点在する状況です。

この「何か」というのは、テトラ、岩、杭、スタンプ(切株)、ウィード等、バスを惹きつける要素なのですが。広範囲というのがキーワード!

ストラクチャーにコンタクトさせてこそのクランクベイトですが、ピンポイントのストラクチャーならライトリグで攻める方が確実と言えます。

このコンタクトの際に生まれるアクションは他のルアーにはマネできない魅力があります。

大きなリップと高い浮力を利用した、ヒラ打ちなどの障害物回避アクションは、ロッドアクションなどではマネすることができません。

そして、このアクションにしか反応しない魚が多くいるのです。

「広範囲サーチ+障害物回避性能ならスピナーベイトでいいじゃないのか?」と思う方も少なからずおられると思いますが、浮力のないスピナーベイトではクランクベイトのような切れのある回避アクションができないのです。

もちろん、スピナーベイトが障害物にコンタクトした時の生まれる、キラメキにしか反応しない魚はいますが…

障害物に引っかからずアピールし続ける為に回避性能を得たスピナーベイトに対し、クランクベイトは障害物にコンタクト、不規則アクションさせることが目的で回避性能を携えているといったとこでしょう。

ね?生き物みたいでしょう?

それでは、ストラクチャー別のクランクとの相性を解説させていただきます。

テトラ、リップラップ

霞ヶ浦 常陸利根川 牛堀 テトラ

クランクベイトと聞いて、テトラやリップラップを思い浮かべるアングラーは少なくないはずです。

こういったストラクチャーを巻いて攻略することにおいて、クランクベイトの右に出る者はないでしょう。

バイブレーションでは、スナッグレス性能に不安要素がありますし、スピナーベイトは根掛かりの心配は少ないものの、潜行しようとする力がないので、クランクベイトのように岩の隙間を舐めるようなトレースができません。

また、上述した通り、コンタクトした際に、浮力のないルアーにはないキレのあるアクションもクランクだからこその技です。

特に、こういったテトラやリップラップ等のストラクチャーは河川に点在し、低水温期にバスが溜まりやすい場所になります。冬の動きが鈍く、障害物にタイトにつくバスを釣るためには、このクランクの特性が必要不可欠になってきます。

杭、立木、レイダウン

まとめて言えば水中に沈んだ木ですね。こういったストラクチャーにもクランクベイトは有効です。

使い方はテトラ同様、クランクベイトをコンタクトさせることで、バイトを誘発させるわけです。

こういったストラクチャーは、テトラやリップラップに比べて複雑なことが多いです。その上、一度根掛かると外れにくい。石で出来ているなら、タックルセッティング次第でクランクベイトのフックを伸ばして、回収可能なのですが、相手が木となるとそうもいきません。

となると、大事なのは根掛かりを事前に防ぐことです。

この予防策として重要になってくるのがリップの形状です。(リップの形状とストラクチャーの相性に関しては後程解説します。)

ウィード

柴山沼 バス釣り

ウィードもクランクベイトにとって絶好のストラクチャーになります。

真夏はクランクの出番が少なくなりがちですが、琵琶湖のように、広大なウィードがあるエリアは、水草が酸素を生み出し、バスやベイトフィッシュの集まる要素となるので、真夏でもクランキングが効果を発揮します。

ただし、ウィードは先に紹介した二つのストラクチャーと性質が大きく違います。

そう「硬くない」ということです。

ですので、リップラップをゴリゴリ巻く感覚でウィードが生い茂ったエリアを攻めてしまうとルアーがウィードに絡まるだけ。これではスピナーベイトをタダ巻きしたほうがよっぽどマシです。

なので、ウィードの塊に突き刺さらない程度の潜行深度のクランクベイトをチョイスし、塊から少しはみ出したウィードに絡めては外すような感覚でリアクションバイトを誘発することが大事になります。

参考になる動画をどうぞ。

ハードボトム

あーだこーだストラクチャーについて語らせていただきましたが、特別目につくストラクチャーがなくても、ハードボトムさえあればクランクベイトを投げる価値ありです。

硬いボトムさえあれば、クランクベイトは、人為的には再現できない生き物ような蛇行をしながらボトムを這ってくれます。

粒の細かすぎる砂や泥が逆のクランクのキレのある動きを鈍らせてしまう可能性もあることを忘れずに。他にもクランクが苦手とするシチュエーションを下で説明します。




苦手なエリア

古城沼

菱藻やリリーパッド、浮きゴミといったフローティングカバーはクランクベイトに動きを殺してしまう要素になります。

また、落ち葉や枯れた菱藻が底にが溜まったシチュエーションも厄介です。

そういった場合は、ボトムにコンタクトしない潜行深度のクランクベイトにチェンジするか、スピナーベイトを選びましょう。

ウィードとは違い、アオミドロもクランクの動きを殺してしまうのでご注意を。

リップの形状

クランクが活きてくるシチュエーションについて解説してきましたが、ここでもう一度リップのお話。

リップの形状とストラクチャーの相性についてです。

クランクのリップの形状には3タイプあります。そして、それぞれが異なった性質を持っています。

ラウンドタイプ:丸みのある形状で、障害物にコンタクトした際、舐めるように回避する特徴があります。
上述した、低水温の中、テトラをタイトにつき、あまりルアーを追えないシチュエーションなどで活躍。

スクエアタイプ:ラウンドに比べてカバー回避性能が高い。障害物にコンタクトした際、派手にヒラ打ちをする傾向がある。
一度根掛かると外れにくいウッド系のカバーなんかで活躍。

コフィンタイプ:ラウンドとスクエアの中間的存在。

これらは、あくまで一般的な傾向であり、カバー回避性能はそのクランクが持つ浮力やフック、ウエイトの位置で大きく変わります。

実際、私が愛用するDEPSのイヴォークというクランクベイトはスクエアリップにも関わらず、カバーに突進しても、タイトに躱してくれます。

こういった知識を頭に入れておけば、状況にあったルアーセレクトが楽になりますね。

シーズン、時期、季節は?

新利根川 霞ヶ浦

ここまでの情報をまとめれば、わかるかと思われますがクランクベイトは1シーズンを通して一年中使えてしまいます。

もちろん、冒頭でも説明したように、あくまでも適材適所。

3mの水深にバスが集まっているのに、50㎝しか潜らないクランクを使っても良い釣果は望めませんよね。

下記では、季節別の大まかな攻略法をご紹介しましょう。

個人的に春という季節は、秋以上にクランクを使いたくなるシーズンです。

バスはシャローのカバーに潜んでいることは、ほぼ間違いなく、水は白く濁りがち。クランクが活きないわけがないシチュエーションなのです。

潜行深度50㎝~1.5mくらいのクランクベイトを主軸にカバーの絡むシャローを狙い続ければ、良い結果に繋がる確率大!

しかも、釣れればデカいという、エキサイティングなクランキングが楽しめます。

野池をメインに釣りをする私には、夏場のクランクの出番は減ってしまいます。というのも、水面は菱藻に覆われ、水中もアオミドロが大量発生する時期だからです。

トップウォータークランクを使えば楽しい釣りができますが、今回紹介してきたようなクランキングの出番は、やはり少ないです。

琵琶湖のように、ウィードが多く生育しているフィールドや、水通しの良いエリアとハードボトムが混在するスポットではクランクベイトでバンバン底を叩いてみましょう。

巻きモノシーズンの秋。

バスが散らばって、どこにいるか特定できない時期が故に、巻きモノが活躍するのですが、逆を言えば、地道に様々な層やエリアをサーチして魚を探す以外方法がない根気のいるシーズンでもあります。

シャローからディープまで、クランクをローテーションして、反応の強いレンジを特定しましょう。

ディープを狙うイメージが強いですが、冬のディープを狙うならクランクより、バイブレーション、メタルバイブが仕事をしてくれます。

では、クランクはどう使えばいいのか?

上で述べたように、テトラやリップラップといった、比較的浅場で越冬、もしくはバリバリ餌を食べているデカバスを狙う方が良い結果に繋がるはずです。

狙うスポットは春と似ていますが、気持ち深い所のストラクチャーを狙いましょう。

さいごに

奥の深いクランクベイト。知れば知るほど、フィールドの地形との組み合わせが攻略のカギとなることが明白になってきますね。

次回はオススメのクランクをご紹介します。お楽しみに!

この記事を書いた人

ビッグバイト

バス釣り歴16年のベテランバサー。東播野池群を中心にビッグベイトやデカ羽根モノルアーなどでデカバスを狙ってます。