現在、大型のクローラーベイトがブームを終え定番化しつつあるバスフィッシング業界。
そのカテゴリーはどんどん細分化され、デッドスローリトリーブに対応するもの、サウンドや水押しを重視するものなど様々なタイプがリリースされ、インディーズブランドもハイクオリティーなハンドメイドのクローラーベイトをリリースしています。
現在一番のクローラーベイトには、レイドジャパンのダッジなどがあります。
ダッジのメリットとしては、ミディアムクラスのタックルで使用でき、デッドスローリトリーブにも対応。
独自のローリングアクションで、スレたフィールドでも魚に口を使わせてくれるという、一般アングラーにはありがたい恩恵があります。
しかし、クローラーベイト好きやJBのトップアングラーたちが注目し、大事なトーナメントの舞台でも使うクローラーベイトが存在します。
それがイマカツから発売されている『アベンタクローラーRS』
「ビッグクローラーベイト」とは呼べない大きさ。そして何より違和感を感じてしまうほど後方に装着されたウイング。
一体このルアーにはどんなポテンシャルが秘められているのだろう?
そんな疑問にお答えすべく、今回はこのアベンタクローラーRSに秘められた能力を徹底分析していきましょう。
目次
誕生秘話が語る!羽根が後方に備わっている理由
まずは、アベンタクローラーRSの基本スペックからおさらいしていきましょう。
アベンタクローラーRS
全長:80mm
ウエイト:25g
ボディーにウッドを使用したクローラーベイトです。
これだけ見ても、なにも驚かない人も多いかと思いますが、実はこのウエイト、ボディーサイズでは、まずありえないほど軽いのです。
この軽さがアベンタクローラーRSのすべてを物語るといっても過言ではありません。
兄弟機であるアベンタクローラーGTは同じボディーのサイズでありながらウエイトは30gであることからも如何にRSが軽いのかがわかります。
このウエイトの違いが生まれる理由は「ボディー素材」の違いによるもの。
アベンタクローラーRSのボディーには比重が軽く、高浮力の「桐」が採用されているのです。
それでは、この軽さにより、どういったアドバンテージが生まれるのでしょうか?
それは、超デッドスローリトリーブが可能だということです。
「そんな売り文句聞き飽きたよ(苦笑)」という言葉が飛んできそうですね。
確かに近年のクローラーベイトの絶対条件と言える「デッドスローリトリーブ」
この誰でも再現可能なモジモジしたスローアクションがデカバスを狂わせることで、クローラーベイトは一気に市民権を得たわけですが、アベンタクローラーRSのソレは格別。
ルアーがほとんど移動することなく羽根をわずかに動かし続けることができるルアーなのです。
後方ウイングの恩恵
そもそも、オリジナルアベンタクローラーにさらなる可能性を与えるために開発されたGTとRS
開発の初期段階では、ウイングの位置はどちらも同じだったものの、RSはあまりの軽さゆえにキャスタビリティーに問題が発生。
そんな問題を解決するために、ウイングを後方に設置し、キャスト時の姿勢を安定させると同時に、飛距離もアップするというメリットを得ることに成功。
また、GTのネックな部分でもあった、「上下逆さまの着水」にも後方ウイングは効果的
GTでこの現象が発生すると、竿で煽ってもなかなか元の状態に戻らないという状態に陥ります。
こうなると、せっかく「いかにも」なスポットにキャストを決めてもアクションさせることなく場所を台無しかねません。
しかし後方にウイングがあることで、正しい姿勢に戻ろうとする力が強くなり、ひっくり返っても、軽くリトリーブするだけであるべき姿勢で泳ぎだします。
また、後方ウイングにより、クローラーベイトには珍しい垂直よりの浮き姿勢を実現。
シェイクなどでは、移動距離を抑えたアクションが可能にになりました。
また、キャストの距離とロッドの長さ次第では、ラインを水面に付けることなくリトリーブが可能になり、ラインを嫌う神経質なバスにも効果てきなルアーとなりました。
なぜプロがトーナメントで使うのか?
アベンタクローラーRSはJBなどのトーナメントで多くのプロが使用しているルアーです。
しかも、IMAKATSUのプロスタッフではないトーナメンターまでもが使用し、表彰台に昇っているという事実があります。
つまり、自分達をサポートしてくれるブランドに取ってはマイナスになりかねない行為をしてでも使う価値のあるポテンシャルを秘めたルアーだということを物語っています。
特に例年は初夏に開催されるJBTOP50の七色ダム戦(今年は4月に開催)では、超クリアウォーター&ハイプレッシャーにも拘わらず、多くのプロがこのルアーでビッグバスをキャッチしたそうです。
このルアーがハイプレッシャーなトーナメントで効果的な理由はいくつかあります。
1つ目は超デッドスローリトリーブによって、1匹、もしくは1ヵ所に長時間アピールできると言うこと。
トーナメントでは、おいしいスポットには常に誰かの船が浮いている状態が当たり前です。
そんな状況では1つのスポットや、1匹の魚にどれだけ丁寧にアプローチできるかが勝敗を大きく左右します。
そして、クローラーベイトを含め、水面を攻略するルアーというのは、そのエンターテイメント性のあるスタイルとは裏腹に水中の魚に無駄なプレッシャーを与えません。
さらには、水面は水中から見ると銀幕のように見え、水面を移動するルアーは魚からはルアーだと見切られにくいのです。
そういった条件を加味すると、1キャストで長時間アピールでき、バスにプレッシャーを与えないサイズ感、水面系で正体が見破られにくいアベンタクローラーRSは格好のレーシングルアーとなるわけです。
そして、上でも説明した、後方ウイングによる長距離アプローチ&ラインを水面に付けないリトリーブは、人やルアーに対してナーバスな魚にとても効果的なのです。
神が宿るアベンタクローラーRS⁉
上で述べたようにアベンタクローラーRSは桐という木材でできたルアー。
ウッドルアーである以上、ウエイトに個体差が生まれます。
特に、ウエイトがアクションのレスポンスを大きく左右してしまうアベンタクローラーRSには、この「差」がとても重要になります。
そして、この個体差によって生まれる超アタリ個体「神」が存在するのです。
基本的にはRSのウエイトは25gとされていますが、稀に存在する軽い個体は数グラム軽量。
アクションのレスポンスも大きく変わってきます。
プロはこういった僅かな差にもこだわってルアーをセレクトしているのです。
このRSは私が所持するものの1つ。
27gです。
標準スペックのウエイトにフックの重さを足すと、ちょうどこのくらいの重さになります。
もちろんこのウエイトでもクローラーベイト最遅のアクションをしてくれます。
そして、こちらも私が持つRS。
なんと4gも軽い!!
ライトテキサスのシンカー1つ分の差があります。
もちろんどちらも同じフックを装着しています。
このクラスのRSはとても貴重なので、ライギョのいる池では使いません(笑)
使いどころ
気になるのがこのルアーの使いどころですよね?
言ってしまえば、どこでもOKですが、流れにはかなり弱いルアーだと思います。
軽い流れなら、うまくドリフトさせて有効利用することができますが、強い流れはルアーに「作り物感」が生まれてしまいます。
季節に関して言うと、冬でも釣れます。
1月と2月は釣ったことありませんが12月なら毎年50UPクラスがバイトしてくれます。
春は3月から釣れ始め、気温15℃を上回り温かい雨が降る日はアベンタクローラーRSを投げてみる価値があるといえるでしょう。
トッパーの人なら、1月、2月でも平気でクローラーベイトを使って釣るので、更なるポテンシャルを体験したいという方は挑戦してみましょう。
またサイトフィッシングにも有効です。
デッドスロー系クローラーベイト全般に言えることですが、この類のクロールアクションはバスの本能を刺激します。
そして、その刺激は他のルアーでは出せない特別なモノです。
なので、それまでどんなルアーも無視してきた見えバスが、躊躇なくクローラーベイトに襲い掛かるということは珍しくありません。
RSは着水音も小さく、ジャンル最遅のアクションが可能なので、他のクローラーベイトよりサイトに向いています。
カスタマイズで自分だけのアベンタクローラーRS
フェザーフックに有無や、木材が持つ個体差でアクションが変わってしまうアベンタクローラーRS。
もちろん、アングラーが軽く手を加えてあげるだけで、素晴らしいアクションを生み出すあなたオリジナルのアベンタクローラーRSを作り出すことができるかもしれません。
例えば、フックをサイズを小さくすれば軽くなるのは当たり前のことですが、同じサイズのフックでもメーカーによって、微妙に重さが違ったりもします。
つまり、フッキング性能を落とすことなく、ルアーを軽くできることになります。
また、塗装を薄くリペイントして、軽量化を図るというテクニックもあります。
拘りが無ければ、小細工抜きの全身マットブラックがオススメです。
このカラーなら特別な塗装技術も必要なく、クローラーベイトを含む全トップウォーターの釣れ筋カラーに仕上がります。
事実、アベンタクローラーRSのダントツ1番人気カラーが「ブラックレイブン」というマットブラックカラーで、プロも愛用しているルアーです。
しかし、あまりに塗装を薄くしてしまうと、フックが接触するだけで、塗装が剥がれ、木材に水が染み込んでしまう原因になってしまうので、注意してください。
フェザーフックはつける?つけない??
レイドジャパンのダッジには標準装備されているフェザーフック。
つける派、つけない派に分かれますが、メリット、デメリットはどういったものなのでしょう?
メリットとしては、
クローラーベイトにおいては、フックの存在感を消すという役割を果たすフェザー。
繊細でフックを気にするフィールドのバスに対しては、効果が期待できます。
また、フェザー独自の艶かしさがバイトを誘発するでしょう。
デメリットにはデッドスローリトリーブを妨げる可能性があるということです。
クランクベイトなどにアオミドロなどの絡まると、アクションのレスポンスが悪くなるという経験があると思います。
フェザーも見た目はキレイですが、フックに水の抵抗が加わるという点では同じです。
クロールの動き出しなどに多少の変化があると思ってください。
状況に応じて使い分けてみてください。
ちなみに、私はフェザーフックは使用しません。
適合タックル
ルアー自体が約25gあることと、大型の魚が頻繁に釣れることから、ロッドのパワーはミディアムヘビーあたりがオススメです。
ロッドの長さは、他のルアー同様、キャスタビリティーを重視すれば、6ft6inクラスが扱い易いですが、ロングキャストやラインメンディングを重視するなら、70以上でも良いでしょう。
特にアベンタクローラーRSは、ロングキャストで時間を掛けてバスに口を使わせたり、ラインを水面につけないことがキーになるので、オカッパリアングラーにとってロングロッドの恩恵はかなりのものがあります。
トップウォーターなので、ナイロンラインを使いたくなってしまいますが、フロロカーボンやPEがオススメです。
基本的にスローにリトリーブするだけなので、フロロカーボンを使っても、ラインが水中に沈んでルアーの動きに悪影響を及ぼすこともありません。
それどころか、竿先から垂れるフロロカーボンの重みで、リールを巻かずとも、オートマティックにルアーがアクションしてくれます。
PEは飛距離を稼ぎたい方にオススメ!
PEラインでしか生まれないクローラーベイトのアクションの質もあるので、愛用するプロアングラーは多いです。
リールはローギアじゃなくても問題なし?
スローリトリーブを多用することから、ローギアのリールを向いていると考えるのは当然ですが、アベンタクローラーRSともなると、ハイギアでも別に構わないというのが私個人の意見です。
それはなぜかというと、アベンタクローラーRSはリーリングでアクションさせないから!
あまりにスローに動くため、ワームをズル引くように、ロッドワークでアクションさせることがスレバスや、頭の良いバスのキャッチに繋がるからです。
過去に一度、クランクベイトに使用するようなギア比5.3のベイトリールを使用したことがありますが、バイトの際、スローアクションゆえに生まれる、ラインスラックを回収するのに時間が掛り、フッキングがスムーズにできなかったうえ、手前に走られた時に、バスの泳ぐスピードにリールの糸巻き量が追いつかず、ラインテンションを維持できずバレそうになったことがよくあります。
最高のアクションを維持するために
使い方次第で、誰も釣れていないシチュエーションでも、バスをバイトに持ち込むことができるアベンタクローラーRSですが、長い間、ポテンシャルをフルに保ったまま使用していくために、小まめにメンテナンスしてあげることが必要です。
まずウイング。
ウイングの付け根にあるヒートンが魚とのファイトや、障害物にぶつけた衝撃で歪むことがよくあります。
こうなると、アベンタクローラーRSは真っ直ぐ泳がず、リトリーブに対するレスポンスも悪くなります。
ヒートンをプライヤーで曲げたり、締める、もしくは緩めることで両ウイングを左右対称な状態に保っておく必要があります。
これは、アベンタクローラーRSを使用していく上で最も重要なメンテナンスになりますので、習慣づけるようにしましょう。
ウイングの台座を固定しているネジを締めたり、緩めることで、バランスが取れることもあるので、ウイングの調整だけでは改善できないという方はドライバーを使って調整してみてください。
トゥルーチューンは釣り場で簡単にできます。
正面から見て、左に曲がって泳ぐ時は、左の羽根が僅かに前に出てしまっている証拠。
上の画像のように、プライヤーやドライバーを使用してヒートンを捻り右のウイングも前に出す、もしくは、左のウイングを後方に捻りましょう。
このように、左右対称をキープすることを心がけましょう!
さらに、使い込んでいくとウイングの接触部が摩耗し、ウイングに設けられたスリットの形状が大きくなります。
これにより、ウイングの動きは滑らかになりますが、金属音は弱くなってしまいます。
滑らかな動きが好みの人はそのまま使い続けて構いませんが、金属音が欲しいという方は、新しいウイングに交換することがオススメです。
塗装ハゲ
塗装の剥げは見栄えが悪くなるだけではありません。
ウッドルアーであり、その軽量な比重が釣果のキモであるアベンタクローラーRS。
このルアーの塗装が剥げ落ちてしまうと、そこから、水分が木材に染み込み、浮力が落ちてしまう危険性があるのです。
なので、木材が見えてしまうような傷ができた場合、ルアーをしっかり乾燥させてから、マニキュアや2液性エポキシで、木材が剥き出しになった箇所をコーティングしておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はIMAKATSUのアベンタクローラーRSを紹介させていただきました。
かなり奥が深いルアーであることが分かっていただけたと思いますが、その釣獲能力も並外れており、使い方をマスターする価値ありです。
私自身、野池を中心に釣りをしていますが、アベンタクローラーRSがあれば野池のロクマルも捕獲できるのではないかと、そのポテンシャルを高く評価しています。
店頭で見つけた際は、是非一度買って、試してみてください。
ちなみに、これは昨年の夏にRS釣り上げた57㎝です。